誰でも作れる簡単自動シャクリ器
2016.05.18、小樽第一埠頭にて
苫小牧港でよく見かける自動しゃくり器、石狩や小樽でも見られるようになってきた。
ニシン釣りやイカのスッテ釣りは、置き竿ではまず釣れない。シャクリ続けないと魚はかからないのだ。
小樽港のイカのスッテ釣りで、自動しゃくり器が活躍しているのをみて、作ってみることにした。
釣り人はいろいろ工夫して様々なシャクリ器を作っていいるが、車のワイパーモーターを使ったクランクシャフト式、竿受けの後部をクランクシャフトで上下させる方式のものが多い。
しかし、このシャクリ器はカムを使う方式で、上下の動きをカムの形で制御する。長所は電気系が単純、面倒なのはカムの形を成形することだ。
まだ完璧に仕上がったとは言えないが、スムーズに動く。
しかし、このシャクリ器はカムを使う方式で、上下の動きをカムの形で制御する。長所は電気系が単純、面倒なのはカムの形を成形することだ。
まだ完璧に仕上がったとは言えないが、スムーズに動く。
全景
■作り方
車のワイパーモーターに楕円形のカムを付け、そのカムが回転することによって竿受けを押し上げ、竿の自重で下がるという仕組みだ。
押し上げるときのモーターにかかる負荷をなるべく下げるために後にオモリを付けるが、9メートルの長竿を2本のせるとかなりの重さが必要になるが、問題はないと思う。
回転の速さはPWMコントローラーで簡単に制御できる。マメイカ釣りのときなどの極ゆっくりの動作でも問題なく動く。また、カムの形を工夫することによって、最下点で停止させることもできる。
できないこともある、ビュッと極速くしゃくることはできない。回転を最高に速くして、手動でスイッチを切ったり入れたりすれば、できないことはないがむずかしいと思う。
押し上げるときのモーターにかかる負荷をなるべく下げるために後にオモリを付けるが、9メートルの長竿を2本のせるとかなりの重さが必要になるが、問題はないと思う。
回転の速さはPWMコントローラーで簡単に制御できる。マメイカ釣りのときなどの極ゆっくりの動作でも問題なく動く。また、カムの形を工夫することによって、最下点で停止させることもできる。
できないこともある、ビュッと極速くしゃくることはできない。回転を最高に速くして、手動でスイッチを切ったり入れたりすれば、できないことはないがむずかしいと思う。
1.用意する主な材料と道具
●車のワイパーモーター フロント用とリヤ用があるが、フロント用の方がよい。
pwmスピードコントローラー
●PWMスピードコントローラー モーターの回転数を下げるのに使う
かね折金物
●かね折金物 モーターを固定する金具、頑丈なものをさがす。
自動車の解体屋さんで手に入れることができる。ネットでもかなり出回っている。カム式では、モーターだけでよく、リンクする金具は必要ない。中古なら1000〜3000円くらいで手に入る。
●カム用アルミ板 カムの材料、約2mm×200mm×200mm
これは、取り寄せになるかもしれないがホームセンターで1000〜1500円くらいで売っている。鉄板でもいいが、アルミのほうが錆びにくいし加工が楽。
pwmスピードコントローラー
ワイパーモーターを12ボルトバッテリに直接つなぐと、回転が速すぎて使えない。カイロの途中に巻き線抵抗を入れたり、DCDCコンバーターで電圧を下げたりして調整できるが、それぞれ欠点があって現在では、モーター回転の制御にはPWM式スピードコントローラーというものを使うのが一般的になっている。
ネットショップ(秋月電子の通販、ヤフー、楽天など)で組み立てキットや出来上がり品を売っている。半田付けできれば500円くらいの組み立てキットが、完成品で1500円くらいだ。
ネットショップ(秋月電子の通販、ヤフー、楽天など)で組み立てキットや出来上がり品を売っている。半田付けできれば500円くらいの組み立てキットが、完成品で1500円くらいだ。
かね折金物
ホームセンターで売っている。ちょうどよい大きさのものはないので、切ったり、穴を開けたりしなければいけない。2個必要。
●ランバー、ベニヤ、ドウブチ(筐体用) 本体とバッテリを置く台
ランバーは厚さ18mm×90mm×60mm、ベニヤは厚さ3mm×90mm×90mmのものが扱いやすい。ドウブチは骨組みに使う。
●アルミ角パイプ、戸車 竿を置く台に使う
今回はあり合わせのものを使った(使ってないイーゼルスタンド)。アルミパイプはホームセンターで売っている。
●その他小物 コンセント、オンオフスイッチ、各種ネジ類、U字金具、バランス用オモリ以上で材料はすべてだ。
●道具は、電動ドリル、ジグソウなど
ドリルは、モーターの軸径と同じ径の8mm、モーターを固定する穴用の6mmは必須。ジグソウはアルミ板の切断に、かね折金物を切るディスクグラインダもあったほうがいい。
2.シャクリ器筐体とバッテリケースを作る
18〜24mmのランバー、ドウブチなどを使って、シャクリ器の筐体とバッテリケースを作る。
おおよその寸法
かなり大きいカーバッテリ(12V)
筐体(入れ物)は金属製のものをよく見るが、加工が簡単な木で作ることにした。
ペンキを塗っておけばかなり長持ちすると思う。
それで、車止めを気にせず使えるように、バッテリの上にシャクリ器を固定して使うようにした。
バッテリケースの上に筐体をかぶせるようにするのだが、「a」の部分をバッテリケースに作った溝「A」に差し込むようにしてみた。簡単に取り外しできて、しっかり固定できる。
バッテリはワンボックスカー用のかなり大きいものを使っている。集魚灯、UVランプ、手元灯り用のLED三種を点けて、シャクリ器を併用しても1回の釣行で電圧が下がって使えなくなったことはない。欠点は持ち運びするのが大変なことだ。キャリーがないと運べない位重いので安定はしているが、車から遠いところでは使えない。
《上写真茶色の部分》
まず最初に寸法のランバー2枚を直角にねじ止めし、次にまわりをドウブチなどで骨組みし、最後にベニヤを貼る。ペンキを塗っておけばかなり長持ちすると思う。
《上写真水色の部分》
埠頭には、黄色と黒の縞模様の車止めのあるところが多い。高さの低い車止めならシャクリ器を使うのにじゃまにならないが、小樽第一埠頭の先端付近や苫小牧勇払埠頭チップヤードのように高い車止めがある所では、使いにくい。それで、車止めを気にせず使えるように、バッテリの上にシャクリ器を固定して使うようにした。
バッテリケースの上に筐体をかぶせるようにするのだが、「a」の部分をバッテリケースに作った溝「A」に差し込むようにしてみた。簡単に取り外しできて、しっかり固定できる。
バッテリはワンボックスカー用のかなり大きいものを使っている。集魚灯、UVランプ、手元灯り用のLED三種を点けて、シャクリ器を併用しても1回の釣行で電圧が下がって使えなくなったことはない。欠点は持ち運びするのが大変なことだ。キャリーがないと運べない位重いので安定はしているが、車から遠いところでは使えない。
3.モーターを固定する
かね折金物を使って、筐体にモーターを固定する。
かね折金物は、ちょうどいい大きさのものはないので、長すぎる部分をディスクグラインダで切断する。
モーターの取り付け穴の位置に合わせて、かね折金物に穴を開ける。6mm径の穴だった。この位置決めは慎重にやった方がよい。穴の位置がずれていると取り付けがすんなりとできない。前後左右の位置は下図を参考にするといい。
モーターの取り付け穴の位置に合わせて、かね折金物に穴を開ける。6mm径の穴だった。この位置決めは慎重にやった方がよい。穴の位置がずれていると取り付けがすんなりとできない。前後左右の位置は下図を参考にするといい。
おおよその位置どり
戸車の中心とモーターの軸は直線上に並ぶようにした方がよい。
4.カムを成形する
厚さ2mmのアルミ板
もっとも面倒な作業がこのカムを作ることだ。
材料は今回、手元にあった2mm厚のアルミ板を使ったが、厚さ3mm以下のもので加工しやすいものならなんでもいいと思う。鉄板でもいいが、錆びるし、加工もアルミより大変だ。硬質プラスチックでもいいと思うがこれも、加工がむずかしそうだ。
アルミ板はホームセンターで買うことができる。1500円くらいか…。
アルミ板の成型の仕方だが、右の画像をダウンロードし、インクジェットプリンタで印刷し(画像は原寸で作ってある)、板に貼り付けて、ジグソウで切断、ヤスリで縁を磨く。
印刷するとき、裏に糊のついた用紙を使うと便利だ。
ジグソウで切るときは、急がないでなるべく正確にゆっくり切る。縁は最初金ヤスリで磨き、その後細かいサンドペーパーで仕上げる。
この縁をツルツルにする作業は大事なことだ。カムの接点の摩擦は小さいほうがモーターに負担がかからないからだ。
カムの形は、一周するスピードが一定だと仮定すると、最下点で一周の1/4静止、最上点まで1/4、残り1/2で下がっていく形になっている。つまり、上がるとき速く、下がるときその倍遅く、最下点で1/4停止の動作を繰り返すことになる。実際はモーターにかかる負荷によって一定の速度で回転しないが、この形でスムーズに動いている。
材料は今回、手元にあった2mm厚のアルミ板を使ったが、厚さ3mm以下のもので加工しやすいものならなんでもいいと思う。鉄板でもいいが、錆びるし、加工もアルミより大変だ。硬質プラスチックでもいいと思うがこれも、加工がむずかしそうだ。
アルミ板はホームセンターで買うことができる。1500円くらいか…。
アルミ板の成型の仕方だが、右の画像をダウンロードし、インクジェットプリンタで印刷し(画像は原寸で作ってある)、板に貼り付けて、ジグソウで切断、ヤスリで縁を磨く。
印刷するとき、裏に糊のついた用紙を使うと便利だ。
ジグソウで切るときは、急がないでなるべく正確にゆっくり切る。縁は最初金ヤスリで磨き、その後細かいサンドペーパーで仕上げる。
この縁をツルツルにする作業は大事なことだ。カムの接点の摩擦は小さいほうがモーターに負担がかからないからだ。
カムの形は、一周するスピードが一定だと仮定すると、最下点で一周の1/4静止、最上点まで1/4、残り1/2で下がっていく形になっている。つまり、上がるとき速く、下がるときその倍遅く、最下点で1/4停止の動作を繰り返すことになる。実際はモーターにかかる負荷によって一定の速度で回転しないが、この形でスムーズに動いている。
5.カムをモーターの軸に取り付ける
A.モーターの軸はこんな形になっている
B.こんなものが付いている
C.カム取り付け後
モーターの軸は、A写真のように軸が特殊な形をしている、しっかり止めるための形だと思う。
B写真の金具を取ってしまうとカムを正確に取り付けられないので、これをそのまま使うことにした。
モーター軸の長さがギリギリなので、B写真の金具の厚さを薄く削って、ナットを止められるようにしないといけない。同じ厚さに削るのはかなりむずかしい。
B写真の金具を取ってしまうとカムを正確に取り付けられないので、これをそのまま使うことにした。
モーター軸の長さがギリギリなので、B写真の金具の厚さを薄く削って、ナットを止められるようにしないといけない。同じ厚さに削るのはかなりむずかしい。
このモーター軸とカムの取付け方法はもっといい方法がありそうだ。例えば、
1.Bの金具の折れてる所から切ってしまって、それをカムの板に穴の位置を合わせてねじ止めする。
2.Bの金具を取ってしまって、菊ワッシャを上手に使い軸とカムを直角に取り付けることもできそうな気もする。
1.の方法がいいような気がする。カム板に四角の穴を開けなくてすむので楽になる。今度作る時はたぶんこの方法になりそうだ。
2.Bの金具を取ってしまって、菊ワッシャを上手に使い軸とカムを直角に取り付けることもできそうな気もする。
1.の方法がいいような気がする。カム板に四角の穴を開けなくてすむので楽になる。今度作る時はたぶんこの方法になりそうだ。
6.竿置き台を作る
竿を置く台は、竿1本しかのせないのであれば頑丈に作る必要はないのだが、重い竿を2〜3本のせるとするとかなり丈夫なものにしないといけない。
竿置き台
材料は全部ホームセンターやネットで揃えることができる。
今回は、イーゼルだったと思われるアルミ角パイプがあったので、それを利用して上写真のようなものを作った。
後ろに伸びた棒は重い竿を持ち上げるため、モーターの負荷を軽くするため、オモリをぶら下げるためのものだが、細かい調整ができるように伸び縮みできるようにした(イーゼルスタンドの伸び縮みする機能をそのまま使った)。
小樽のマメイカ釣りではほとんどオモリは必要ないが、苫小牧で9メートルの長竿を使うときはかなり重いので、長さをめいっぱい伸ばして使う。
竿を置いたとき、竿の長さや柔らかさ(号数)によって角度を調整できるようにしたが、改善の余地はありそうだ。
今回は、イーゼルだったと思われるアルミ角パイプがあったので、それを利用して上写真のようなものを作った。
後ろに伸びた棒は重い竿を持ち上げるため、モーターの負荷を軽くするため、オモリをぶら下げるためのものだが、細かい調整ができるように伸び縮みできるようにした(イーゼルスタンドの伸び縮みする機能をそのまま使った)。
小樽のマメイカ釣りではほとんどオモリは必要ないが、苫小牧で9メートルの長竿を使うときはかなり重いので、長さをめいっぱい伸ばして使う。
竿を置いたとき、竿の長さや柔らかさ(号数)によって角度を調整できるようにしたが、改善の余地はありそうだ。
7.電気系
電気の回路は単純だ。
バッテリの端子をモーターにそのままつなぐと回転が速すぎるので、途中にPWMスピードコントローラーとオンオフのスイッチを使いやすい位置に入れるだけだ。
モーターはプラスとマイナスを逆につなぐと回転が逆になるだけだが、PWMスピードコントローラーは逆につなぐと壊れるので慎重に接続しないといけない。
バッテリの端子をモーターにそのままつなぐと回転が速すぎるので、途中にPWMスピードコントローラーとオンオフのスイッチを使いやすい位置に入れるだけだ。
モーターはプラスとマイナスを逆につなぐと回転が逆になるだけだが、PWMスピードコントローラーは逆につなぐと壊れるので慎重に接続しないといけない。
7.その他
on_offスイッチ、後付なのでかっこわるい
on_offスイッチの裏側
筐体の下側、バッテリケースの上にかぶせるように置く、後付なので不格好
モーターとかね折金物の接続、6mm径だった
戸車と竿受けの接続、角パイプに車を埋め込む穴を開けないといけない、かなりむずかしい
蝶番は、先に竿受け側を止め、筐体側には一度仮止めして、ネジを穴の中心に正確に締める
爆釣祈願!
■他の釣り道具へのリンク