ハンダ付け(ユニバーサル基板)
ハンダ付けは、金属同士を接着したり電気を導通するための方法であるが、接着するものによって、いろいろな方法がある。銅管(寒地の水道管に使われている)のハンダ付け、トタン板のハンダ付け(中学校の技術家庭でちりとりを作ったことがある)や、電子部品を基盤に配置するときのハンダ付けがある。
それぞれ、適した道具やハンダなどを使わないと上手には出来ない。
ここでは、ユニバーサル基板にLEDチップや抵抗をハンダ付けする方法について考えてみる。
〈ユニバーサル基板とは…〉
下の写真のようなものだが、素材はガラスエポキシという絶縁体で、穴が等間隔でたくさん開いている。その穴に部品を差し込んでハンダ付けし、電子回路を作るものだ。趣味で電子回路を組んだりするときには便利な物だ。
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ユニバーサル基板
写真の基板は72×48ミリの大きさ、0.1インチ(2.54ミリ)間隔で穴が開いており、この穴にLEDチップや抵抗等を差し込んで、回路を作っていく。この半分の間隔で穴が開いている基板もあるようだ。
穴の周りにドウナツ型に光っている部分があるが、銅箔といって、これがあるからハンダがしっかり付く。この間隔が2.54ミリと狭いので、非常に細かい作業を強いられる。この銅箔が片面にあるものと両面にある基板もある。
また、基板にはプリント基板というものもあるが、これは配線が基板に直接、プリントされているもので、電子部品をその基板にハンダ付けするだけで、回路が完成するというすぐれものである。プリント基板は大量に同じものを作る時などには便利なものだ。電気製品などのほとんどの電子部品は、この緑色をしたプリント基板に回路が組まれている。
〈作業台〉
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基板用作業台
ハンダ付けするのに、基板を少し浮かせて固定出来る台があると便利だ。
ベニヤ板で作ってもいいが、すぐに焦げてきたなくなるので、アルミの板で作るほうがよい。鉄板などはハンダがくっつくので適当ではない。アルミの板は、モニタを分解したとき、放熱のために付いていたものを使った。なければ、ベニヤなどハンダがくっつかないものならなんでもよい。
基板を固定するには、断面がL字のものを2枚重ねて作った。両面テープを使うと意外と簡単に作ることができる。高さは、10ミリくらいにしておくと、LEDチップが少し浮くくらいに付けることができる。これも、ベニヤで作ってもいいのだが、たまたま適当な金具があったので、それを切って使った。要するに、基板を台から少し浮かせて固定できるようにすればいいのだ。
LEDをハンダ付けするときは、基板にピッタリくっつくように付けると、放熱効果が少なく壊れやすい。少し浮かせてつけることはとても重要なことなのだ。
〈ハンダゴテ〉
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良いコテ先
コテはハンダ付けするのに最も重要な道具だ。値段も安いものから高いものまでたくさんある。規格も20W、30W、40Wなどがある。
趣味でたまにしかハンダ付けしないのであれば、値段の安いもので、40Wがおすすめだ。はやく作業にとりかかれる。しかし、温度が上がりすぎて、コテ先が腐食しやすいのでスイッチをこまめに切るか、ぬれぞうきんなどで常に冷やすようにしないといけない。 ハンダ付けを上手にきれいにするには、コテ先の形状と温度が大事なのだ。コテ先は常に写真のように、ハンダできれいにメッキされたような状態になっていないといけない。
先が黒ずんで酸化しているとハンダはのらない。こういうときは、ぬれ布巾できれいに掃除をして温度を下げ、銅色に光っているときにハンダをメッキするようにコーティングしておく。作業が終わったあともこのようにしておくとコテ先は長持ちする。
しかし、気をつけて使っていても、だんだん腐食して変形してくる。そうなれば、ヤスリで削ってきれいにするとよい。腐食防止処理をしたコテ先もあるようだが使ったことはない。
〈ハンダ〉
ハンダは、いろいろな種類のものが売っているが、基板用には、なるべく細いもの(1ミリ以下)の糸ハンダ、中心にヤニが入っているものがよい。ハンダは錫と鉛の合金だが、基板用には錫の含有率が60%のものがよい。
〈便利な小物〉
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洗濯ばさみがありがたい
ハンダ付けするときは、利き手にコテ、もう一方の手はハンダを持つので、くっつけるものを持つ手がない。
そういうときは、この洗濯ばさみに針金を付けたものが役にたつ。写真のように、針金の片方を重いものに固定し(ラジオペンチに巻き付けている)、付けたいものを洗濯ばさみではさみ、付けたい場所に持っていく。
似たようなハンダ付けグッズは売っているかもしれないが、たまにしかしないハンダ付けのために、あまりお金はかけたくない。この洗濯ばさみの手の代わりはこれで、十分役にたつ。
その他、ニッパーが余分な導線などを切り取るのにいる。ラジオペンチ・電工ペンチもあると便利だ。それから、コテ先をきれいにそうじしたり、温度を下げるために、ぬれぞうきんは必需品だ。
〈練習の様子〉

ハンダ付けの練習(ユニバーサル基板)
ナレーション(音声)が入ります
LEDは熱に弱い、ハンダ付けを失敗したりして、何回もやり直していると簡単に壊れる。発光しなくなるのだ。それでなるべく失敗しないように、練習をした方がいい。練習するには、LEDチップや抵抗の導線を切って基板に差し込み、満足いくまで行う。
動画は練習用の基板で、導線6本をハンダ付けしているが、これがLEDチップの足(端子)だとしたら、3個のLEDが基板に固定できたことになる。
作業の順番も大事だ。この場合左から付けていってるが、右側から作業すると、付けている場所の右のハンダが溶けてしまってうまくいかない。
基板にハンダ付けする場合は、右利きの人なら、左上から順番に付けていくということになる。
この動画、ハンダは1ミリ径のものを使っているが、もっと細いほうがいいかもしれない。

練習して上手になっても、失敗することはある。失敗したとき、そのハンダを取りのぞくには、ハンダの吸い取り線というものがあるが、細い銅線を束ねたコードを使って代用することもできる。

失敗したハンダを吸い取る
右の動画ではちょっとわかりにくいが、ハンダを盛りすぎて隣とショートしてしまったとき、そのハンダを吸い取る作業をしている。
盛りすぎたハンダの上に、電気のコードの銅線の束を置いて、その上からコテをあてる。すると、銅線の束がハンダとヤニを吸い取ってくれる。
もっと確実にハンダを吸い取る道具もあるみたいだが使ったことはない。
ユニバーサル基板のハンダ付けは、作業が細かいので、上手にできるようになるには練習しかないが、コテ先の形状と温度の管理が大切なので、たくさんハンダ付けする人は、コテ先の温度が調節できて、酸化防止処理のされたコテを買った方がいいかもしれない。

ユニバーサル基板やLEDチップ、抵抗などの電子部品や道具を手に入れるには、秋月電子通商千石電商などの通販が便利だ。

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