手動シャクリ器      簡単自動しゃくり器はこちら

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平成23年2月2日、苫小牧西港の勇払埠頭にキュウリウオを釣りに行ったときのことである。
すぐ右隣りで釣っていた方が、自動車のバッテリー使用の自動シャクリ器で2本の竿を上下しながら、12匹くらいキュウリを釣っていた。自分たちは奥と二人で5本の竿を出していたのに、2匹しか釣れなかった。
何が違うのか? 餌は同じイソメ、仕掛けも似たりよったりで大して変わらない。結局、竿を上下させているかどうか、が釣果に差をつけられたのではないかということになった。
そこで、シャクリ器を作ってみようということになった。しかし、バッテリーはあるがモーターがない。シャクリ器に使っているモーターは、自動車のワイパーのモーターが一般的だが今、手元にない。
とりあえず、4本くらいの竿を手動でシャクれるものを作ってみることにした。出来上がってみると意外と、使い勝手のよいことがわかった。シャクリ機能を使わないで、竿置きあるいは、竿立てとして使っても、とても便利で使いやすい。勿論シャクリ機能も問題なく動作する。
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全景
■作り方
1.用意する材料(下図参照)
●コンパネ(パネコート) ホームセンターなどで売っている厚さ12mmのものが0.5枚(900mm×900mm)あれば充分である。パネコートを使うと仕上げのペンキが半分ですむ。
●ランバー 蝶番をしっかり固定するため、少し厚めの板(350×200)が1枚必要だ。今回は30mmのランバーを使った。
●幅広金折 下図竿置き台と前板を固定するのに幅広金折というL字型の補強金具を使う。
●蝶番 かなり強い力がかかるのでしっかりしたもの2個。今回はドア用の平蝶番(10cmくらい)を使った。
●木用ネジ 主に3.8×38mmの全ネジを使った。30本くらいあれば足りる。他に竿の固定用に57mmの全ネジが8本必要だ。
●被覆針金ハンガー(3〜4個) 竿尻を固定するのに、被覆針金のハンガーを延ばして切って使った。前板にも竿をシャクル棒を固定するのに使う。
●灯油用ゴムホース(50センチくらい) 置いた竿のズレ防止に57mmの全ネジを使ったがそれにかぶせて、竿がいたまないようにした。
●接着剤(エポキシ)・ペンキ・刷毛・ステップル・ビニールテープ 接着剤は蝶番を固定するのと竿置き台と前板を補強金具(幅広金折)で固定するのに、強度を高めるために使う。ペンキは塗っておくと長持ちする。
以上で材料はすべてだ。
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完成イラストと展開図
作業の手順としては、竿置き台の部分と本体の部分を別に作ってその二つを蝶番で連結する。
2.竿置き台を作る
まず、竿置き台を作る。4本の竿を置く台であるが、竿尻は被覆針金(ハンガーを利用)で固定するようにする。
コンパネに4.2mmのドリルで穴を開けて針金を差し込み、裏で折り曲げて、ステップルで固定する。
竿の前のほうの固定は、コンパネの裏から57mmの全ネジを通過させて、飛び出た部分にゴムホースを被せる。少しゆるいので、ネジにビニールテープを巻くといいだろう。
この竿置き台は4本の竿の、横の並びの角度と縦の角度を決めるので、かなり神経を使う。できれば調節できるようにしたかったが、できなかった。そのうち何とかできるようにしたいものだ。
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竿置き台
3.前板
前板の前面に棒を差し込んで、4本の竿を同時にシャクル。
その棒を差し込む部分も、竿置き台の竿尻をとめる部分と同じようにハンガーの被覆針金で作ることにした。水道管などを固定する金具を使ってもいいかもしれない。
これを竿置き台と連結する。この部分には非常に強い力がかかる。コンパネどおしをただ、木ネジでとめただけでは不十分、接着剤で補強してもまだ心配なので、幅広金折という補強金具で万全なものにする。この金折をとめるのには木ネジとエポキシの接着剤を使う。これだけ丈夫にしておけば、たぶん10年保証を付けることができるだろう?
このネジ止めで注意することは、下穴をあけないとコンパネが割れやすいので面倒でも下穴はあけたほうがよい。
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裏側_1
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裏側_2

4.本体(水入りバケツ〈重し〉を置く台)
上の全景写真では、集魚に使っているライト用のバッテリーを乗せているが、昼間ならコマセ用のバッカンに水を入れて重しにしてもよい。
この本体はコンパネとランバーを寸法どおりに切って、木ネジでとめるだけなので簡単だ。ただ、コンパネどおしのネジ止めは割れやすいので下穴を面倒がらずにあけることが大切だ。
5.本体と竿置き台を蝶番でとめる
後は、できあがった本体と竿置き台を蝶番でとめるだけだ。蝶番をとめるとき、地板がランバーのほうは厚さがあるので問題ないが、竿置き台のほうはコンパネなので厚さが12mmしかない。
この蝶番もかなり力がかかると思われるので、ネジ止めとエポキシ接着剤の両方でガッチリとめる必要がある。コンパネのほうは長いネジを使って飛び出た分を切断砥石でカットした。これでこの部分も10年保証だ。
これで大体完成だが是非、ペンキを塗って長持ちするようにしておきたい。
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こんな使い方もできる
【投げ竿の竿立てとして利用】
サビキ釣りと投げ釣りの両方を一緒にしたいとき、釣り場が空いていれば少し離れた場所に投げ竿を三脚で並べておけばいいが、混んでいるときはそうもいかない。三脚をそばに置くと投げ竿の道糸が邪魔になってサビキの糸と絡まりやすくなる。そういうときは大概投げ釣りはあきらめてサビキだけにすることが多かったが、実はこの道具そういうとき、とても重宝するのである。
投げ竿の竿立てとして右の写真のように使う。こうすると岸壁の際に置けるので、道糸がサビキ釣りの邪魔にならないのである。
しかし、投げ竿の竿立てとしてこれを使うとサビキ釣りに使うことができない。
それでこの道具、二つも作ってしまった!!


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