Photoshop(フォトショップ)


1.無い字

無い字、例えば吉田の吉という字の異体字などは、AIでアウトライン化し、作字してEPSで保存しQXのアンカーボックスなどに張り付けて対処しますが、レーザープリンターで出力したものをそのまま軽印刷(紙版)の版下として使う時はその字が少し太くなってしまいます。
フォトショップ(以下PHと記す)で作ると太りません。よく使う無い字を書体別に作っておくと便利です。

まず、ファイルメニューから、新規を選びます。出てくるダイヤログで解像度300dpi、画像モード白黒2値、サイズは横5センチ縦1センチ角ぐらいでいいでしょう。

次に文字ツールを選択し、文字を入力しますが、QXで単位にQをつかっている人はサイズを36point(50Q)にします。書体を選んで作字に使う字を何個か入力します。OKします。選択ツール、移動ツールなどで整形して、余分な部分を切り取りEPSで保存します。

文字サイズを50Qにしたのは、QXに張り込んで縮小する時の計算を楽にするためです。


2.写真の加工

オフセットのカラー印刷物のdataを作る時は、写真はほとんどの場合"アタリ"処理しますので、解像度も72dpiで十分だし、別に写真も加工なしでスキャナで適当に撮って、写真の中に縮小(拡大)率でも入れておけばバッチリでしょう。

今回は、カラーの反射原稿をスキャンし、QXに張りつけモノクロでフィルム出力する場合について考えてみましょう。
まず、スキャナで写真をScanするのですが、解像度は印刷する時の線数(100線とか150線とか175線とか)で決まります。(原寸では線数の倍ですね。)
カラーモードは、せっかくカラーの写真があるのですから、RGBで撮りましょう。印刷された写真で網点が大きい時は、ディスクリーンをチェックしましょう。(逆に普通の写真の時はディスクリーンの項目は必ずチェックをはずしておきましょう。)スキャナの設定が終ったところでスキャンします。保存します(PHで読める形式ならなんでもOK、最終的にはEPSFにします。)

  1. ファイルをPHで開きます。(PHプラグインのあるスキャナで直接、PHからスキャンした時はこの作業がいりません。)

  2. まず、イメージメニューの色調補正のレベル補正ですが、山のように黒くなった部分だけになるよう左右のスライダをドラッグします。(必要無いことも多いです)

  3. 自動レベル補正この項目をチェックするだけでも随分良くなります。(PHの最も優れた機能かも?)

  4. 次はトーンカーブです。これは一番黒い部分と白い部分にどの位網点をいれるかという調整です。一般的には真っ黒のところをすこしうすく、真っ白の所を少し黒く調整すれば見やすくなります。(調整画面の左下と右上を少し中心によせる。もちろん写真によりけリですが。プロの撮った写真なんかはいじらない方が絶対いいです。)
  5. 明るさ・コントラストを少しいじくってメリハリをつけましょう。これで一応色調補正は終わりです。

  6. 次はフィルタメニューのシャープのアンシャープマスクをクリックして、決してかけ過ぎないようにシャープをかけます(この作業は失敗するとひどい写真になりますが成功すると見違えるほど綺麗な仕上がりになります)。間違いのないようにするにはアンシャープマスクを使わず、ただのシャープを2回ほど適用するとGOODです。(画面で見た目でほんのちょっとざらついた感じかな?)
  7. 写真の中でどうでもよい部分(例えば顔写真などのバック)を上手く選択して(この選択をやりやすくするためにRGBでScanしたのです)、少しボカシをかけましょう。顔写真なんかの時は雲模様なんか使っても喜ばれます。(フィルタメニューの描画の雲模様1)

  8. カラーモードをグレーに変えます。

以上で終わりです。EPSで保存しましょう。EPSが選べなかったら(新規チャンネルができていたりするとEPS形式で保存出来ません。)、ファイルメニューの複製を保存コマンドを選んで下さい。(これもPHの最も優れた?機能だと思います)

3.2色分解

特色2色で印刷する場合、校正用のファイルと出力用のファイルを2つ用意しなければなりません。プロセスカラーの2色で印刷することはまずないからです。
今回は、プロセスカラーのM版とC版の色分解をして、そのあと校正用に、特色で印刷した色に近い色に変える作業を考えてみましょう。

  1. まず、RGBでスキャンした写真をPHで開きます。

  2. トーンカーブ、シャープ等を調整します。フルカラーのデータを残しておくために複製を保存します。

  3. ファイルメニューのカラー設定から色分解を選びます。

  4. 墨版合成の欄からなしを選びます。OKします。

  5. イメージメニューのモードからCMYKを選びます。

  6. チャンネルパレットを見てみましょう。墨版は真っ白のCMYだけのデータになっています。

  7. 次にY班を表示してコマンドAで全て選択して、デリートすればC版とM版だけのデータになりますが、Y版のディテールは失われてしまいます。
    そこで、Y版のデータをC版とM版にプラスする作業をします。

  8. チャンネルYを表示し、全て選択してCUTします。

  9. 次にM版だけ表示して、ペーストします。レイヤーパレットに戻って(フロート選択範囲というレイヤーが出来ている)不透明度50%くらい、乗算モードにします。

  10. C版には何にもしなくてもというより、しない方が良いみたいです。青に黄色を重ねても青が勝ってしまうのではないでしょうか。

  11. これでCM版の2色分解は終わりです。バージョン5からは、フロート選択範囲が使えなくなりましたので、最初に(墨版なし・CMYKモードにしてから)レイヤーを全部で3つ作り操作するのですが、めんどうになりました。要するに黄色版をカットしてM版にペーストし、乗算・不透明度50%くらいにしてやれば良いということです。

  12. 最後にレーヤーを統合して出力用として保存します。

  13. 次はインクジェットで校正する時の(正確な印刷の色はでませんが)特色2版のデータを作ります。

  14. 先ほど作ったCM版の複製を作ります。

  15. C版だけを表示して全部選択してカット、新規書類を開きペースト。カラーモードをCMYKに変える。

  16. イメージメニューの色調補正の色相・彩度で色彩の統一にチェックを入れ、スライダを調節して、使う特色の色に近づける。

  17. 元の版に戻り、M版だけ表示して全部選択してカット、新しい書類に戻り、ペースト。上記のように、今度は別の特色に近づける。

  18. レーヤーモードを乗算にし、不透明度を調節して終わりです。
  19. レイヤーを統合して、名前を校正用とかにして保存します。