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TFT液晶ディスプレイの修理
茶の間で使っていた17インチ液晶が、突然、映らなくなった。
随分前にネットで中古品を買ったものなので、廃棄しても惜しくはないが、自分で直せるものなら、と挑戦してみることにした。
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17インチ液晶ディスプレイ(シャープ製)
■症状
朝パソコンのスイッチをいれると、いつまでたっても画面が真っ黒のまま。
再起動しようとしたが、画面が真っ黒なので、パソコン本体の強制再起動ボタンを押すしかない。(再起動ボタンのないパソコンは、パワーボタンを長押しして強制終了し、再びパワーボタンを押す)
ハードディスクのアクセスランプは、チカチカと正常な立ち上がりを示しているように思えるが、画面は真っ黒のまま。
ディスプレイの電源ボタンの横のランプはオレンジ色。一回ディスプレイの電源を切って、入れ直してみると、最初緑のランプがついて、しばらくしてオレンジに変わる。この間、画面は真っ黒のままだ。
パソコンのディスプレイドライバやビデオカードがおかしいのなら、画面には「入力信号がありません」とかの表示がでるはずだが、真っ黒のまま。この症状は、ディスプレイが壊れたものだと思ったので、別のディスプレイをつないでみると、ちゃんと映る。
これで、パソコンじゃなくてディスプレイが壊れたことがはっきりした。
■修理
ネットで、「ディスプレイ 修理」と入力して検索してみると、自力で修理したことを書いたサイトがいっぱいあった。
よく読んで整理してみると、液晶ディスプレイ故障の原因の多くは、3種類に分類できるようだ。
1.バックライトの蛍光灯切れ
2.コンデンサの不良
3.フューズ切れ
もちろんこれ以外にも原因はあるだろうが、そうだった場合はあきらめて新しいのを買うしかない。
1のバックライト切れなら、画面をよく見ると、真っ黒じゃなくてうっすらとは映っているらしいので、今回の場合はこれではない。
で、コンデンサの不良か、フューズ切れではないかと検討をつける。特にコンデンサ不良の記事はネットにたくさんあったので、最初はこれじゃないかと思った。
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カバーをはずすとプリント基板が2つ 何処かが故障?
〈カバーをはずす〉
パソコンやその周辺機器は結構、分解するのがむずかしい。ネジ止めだけで固定されているのなら、ネジをゆるめればいいが、プラスチックの爪ではめ込みになっているところがたくさんあるのだ。
今回の場合も、裏のネジを全部はずしてもはずれない。上の部分がはめ込みになっているのだ。
このはめ込みをはずすには、マイナスドライバーでこねても外れるが、傷がつきやすい。ものを削るときに使うスクレーパーという道具が便利だ。ドライバーより刃がうすいので、傷がつきにくいし、力もいれやすい。
今回も右、上、左と順番にこねていくと、意外と簡単にパカッとはずれた。バックライトの故障なら、不良部分は写真の鉄板の下なので、分解はまだひと手間かかる。
カバーをはずすと、プリント基板が2個あらわれた。この何処かに不良箇所があるはずだ。
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最初あやしいと思ったコンデンサ
〈コンデンサを調べる〉
まず、コンデンサを観察してみる。
かなりたくさんのコンデンサが使われている。電解コンデンサだけでも、大きいのから小さいのまで20個以上あるようだ。
コンデンサは不良になってくると、膨らんできて破裂したり、液漏れをおこすらしい。コンデンサの頭の部分に溝があるのは、爆発しないように裂けやすくしてあるのだそうだ。
一つずつ念入りに見ていったが、膨らんでいたり、液漏れしているものは見あたらない。
コンデンサの不具合ではないのかと思ったが、上写真の赤丸のコンデンサ(左は拡大)、ほかのコンデンサと見かけが違う。違うメーカーのもののようなのだ。
このディスプレイは中古で買っているので、この見かけの違うコンデンサは交換されたものかもしれないと思い、基盤の裏を見てみると、明らかにハンダ付けをやり直した跡があって汚い。やはり、このコンデンサはあやしいと思い、この2個のコンデンサを取り替えてみようと思った。
が、コンデンサなんて手元にあるわけがない。どうやって手に入れるか…。
虫眼鏡で表面に書いてある字を読んでみると、「220μF、25V」と書いてある。容量が220μF、電圧は25V以下で使用できるということらしい。
ここまでわかれば、秋月電子の通販で買うことができるが、送料が500円かかる。1個20〜60円くらいのもの2個買うのに500円の送料はばからしいので、調べたら、札幌の狸小路にある梅澤無線というところに行けば買えるということがわかった。ついでの時に買ってきて貰うことにした。
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壊れていたチップフューズ
〈フューズ切れを調べる〉
コンデンサが手に入るまでの間に、もう一つの多い原因の、チップフューズ切れも調べてみることにした。
まず、フューズが何処にあるか探さないといけない。
よく見るガラス管のフューズならすぐ見つかるが、極小さいチップフューズなんて、虫眼鏡で探してもみつけるのは大変だ。
手がかりは、プリント基板に印刷してある文字で、F1とかF2とか書いてあるところがフューズらしいということがわかった。また、だいたいフューズは外部から電気が入るプラグのそばにあることが多い。
その場所で一つ見つかった。早速テスターで導通を調べると、ちゃんとつながっている。
次に見つかったのは、実はこれが犯人だったのだが、写真のフューズだ。あやしいと思ったコンデンサの隣にあった。導通テストをしてみたいが、テスターの検知棒の先をうまくあてることができない。細い針金を使い何とか調べてみると、導通がない。何度やっても切れている。
このチップフューズ切れが、ディスプレイが壊れた原因の可能性が非常に高くなった。
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こんなの有り!? の処置
■対処
まず、本当にこのチップが原因なのかどうか確かめるために、ハンダゴテをあてて、この小さいものを何とか取り外し、テストのために2箇所の接点に銅線をハンダ付けして、2本の線を引き出した。それをショートさせて、必要な部分のソケットをちゃんとさして、電源を入れてみた。
画面に「入力信号がありません」の表示が出た。 成功!
原因はコンデンサではなく、このチップフューズだったのだ。
さて、それではどうするか…、こんな小さい部品、再びハンダ付けすることは自分にはむずかしすぎる。で、フューズを使わないで、ハンダを盛ってショートさせれば一番簡単に直りそうだが、それでは何となく危険な気がする。
基板に4Aの文字が見えたので、手元にあるガラス管フューズを無理矢理つなぐことにした。4Aというのがなく、3Aと5Aがあったので、5Aを使うことにした。
ガラスフューズは大きいので、収納が心配だが、遮蔽板の外に出せば何とかなりそうだ。
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不細工な処置だが、機能に問題はない?
フューズの規格は3Aでも問題はないと思うが、コンデンサ周りは起動時にずいぶんたくさんの電流が流れるらしいので、すぐ切れても困るので、5Aのほうを選んだ。
フューズを格納するものがないので、引き出した2本の線を5Aのガラスフューズの両端にハンダ付けし、ビニールテープで絶縁した。かなり不細工だが、機能に問題はない。
カバー・台座を元どおりつけたが、この時いつものようにネジが3個あまった。また開けて、何処のネジをつけ忘れたか調べようとも思ったが、面倒なので、このことは忘れることにした。
パソコンからのコードもちゃんとつなぎ、電源コードもつないで、ウインドウズを起動したら、ちゃんと直っていた。
画面の解像度が以前と違っていたので、「画面のプロパティ」で元どおりに変更した。
■まとめ
パソコンを起動して、画面が真っ黒のままの時、調べること。
1.コード類の接続を確認する。
ディスプレイのソケットは複雑なので、ピンが曲がっていたり折れていたりすることがある。
2.パソコンからの信号の有無を確認する。
起動したとき、画面に「入力信号がありません」の文字など、パソコンからの信号がないことを示す表示がある時は、ディスプレイの故障ではなく、パソコンのビデオカードやドライバの不具合だ。
パソコン本体のハードディスクアクセスランプがちゃんと作動していて、画面が真っ黒のままの時は、ディスプレイが壊れている可能性が高い。
3.ディスプレイの故障だとわかった時は
バックライト切れ、コンデンサの不良、チップフューズ切れをチェックしてみる。

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